公認会計士の受験勉強では、時に伸びない成績や、膨大で難解な内容を前に、本当に前に進んでいるのか分からず立往生してしまい、くじけそうになったり、挫折しそうになったりすることがあります。
私がそうでした。
「勉強の進め方が分からなくなってしまった」「勉強がはかどらない」「身についている気がしない」「モチベーションが続かない」など、
勉強方法だけでない、メンタル面の悩みを抱える方も多いと思います。
そのような時に立ち返るべき、長丁場の受験勉強に向かうための「心の習慣」にフォーカスしたいと思います。
2014年度に公認会計士試験に合格したときの成績表と勉強法まとめは、こちらからどうぞ。
会計士試験に合格するまで、短答になかなか受からない苦い経験から、私なりの提案を書き記しています。
今回は、私が一番大事にしていた以下2つの事項のうち、1つ目のことについて書いていきます。
2.基本的な勉強の仕方について(次回の記事)
会計士試験にかかわらずとも、難関試験や受験勉強に合格していく人はこの勝者のマインドと習慣(行動パターンともいうべきもの)を持っていると思っています。
受験レースの時期に分けて書きます。
②試験直前期
③試験当日
①毎日のルーティン
ルーティン化と習慣化がメンタルの安定を生む
長丁場の勉強には、一時的なモチ―ベーションに左右されない勉強生活のリズムを確立して、ルーティーン化していくことが何より大事です。
もっと言うと、モチベーションなんてものはコンスタントに湧いてくるものではないです。
最初に会計士を目指そうと思ったときのモチベーションなんてものは、日々の勉強量の前に、ほとんど無力と化します。
そこで、試験前日に後悔することがないように、そしてモチベーションに左右されないように、毎日決まった流れで勉強をする「リズム」を作り、ルーティン化すること。そして、淡々と勉強することで習慣化することです。
これがとても大事だと考えています。
元MLB打者のイチローも有名なルーティンの人間だったことがよく知られています。
朝起きてから、食事をとり、球場に足を運び打席に立つまでに、生活スタイルに決まったルーティンがあった事は有名なエピソードです。
そして、打席に向かい、打撃をする直前まで決まった行動を繰り返します。
MLBの実況が、
He is a man of routine.
と言ってるのを聞いたことがありますが、脳科学的にも、
そうしたルーティン化によって、安定したメンタルでタスクに打ち込めるということがあるようです。
ルーティン化したものは、すなわち習慣化することができ、気持ちが乗っても乗らなくても、モチベーションがあろうとなかろうと、毎日とにかく歩みを進めることができ、逆に歩みを止めることが気持ち悪いと思うようになります。
一度できた習慣は、維持したい方向へと体が動くようになります。それも勝手に。もちろん動かないどうしようもない日もなくはありませんが、習慣化されたものは簡単には崩せなくなります。これを利用すべきです。
そして、この習慣化によって勉強できることが、試験当日の最後の最後まで安定したメンタルをもたらしてくれます。
大事なことは、安定したメンタルやモチベーションが、質の良い勉強を生み出すわけではなく、勉強をルーティン化することが(つまり、まずは行動が)安定したメンタルを生み出すということを強調したいのです。
ぜひ、まずは椅子に座り、やるべきことをとにかく進める、という行動をし、続けてみてください。少しずつでも構いません。ルーティン部分を少しずつ増やして行くのです。
習慣の作り方
ルーティーン化のヒントとして、まずは一日の生活リズムを同じにすることから始めてみます。
まずは、何時に起き、何時から勉強をはじめ、何時ごろに食事をとり、何時に就寝するか。
これを決めます。
次に、一日単位で(あるいは1週間単位でも構いませんが)どのタイミングで何の科目を勉強するのか、割り振っていきます。
どの時間帯にインプットをするのか、アウトプットをするのか、どんな勉強をするのが集中できるのか、をよく振り返って、割り振っていきます。
また、何かの行動とセットで勉強する内容を決めるというのも効果的です。
たとえば、電車に乗ったら理論科目のテキストを読む、朝、自習室についたらすぐに簿記をやる、など、行動と勉強内容の組み合わせでルーティーン化してしまいます。
これをやるメリットは、次に何をやるか、という決断をすることに脳みそのエネルギーを使わなくなるので、次にすることに対するハードルが下がるのです。
あとはこれに従って、ただ毎日淡々とこなしていきます。だんだんと、ある時間になったら、これをやらないと気持ちが悪い、と思うようになります。
そうなれば、こちらのものです。自動化できれば、自然と集中力も高まり、メンタルも安定していきます。それが自信にもつながります。
②試験直前期
これまでの積み重ねを信じ、最後まで諦めない。
①で述べた習慣化により、それがそのままこの時期のメンタルの安定に繋がります。
これまで積み重ねてきた自分を信じることができ、最後まであきらめない気持ちを持つことができます。
直前の模試であまり成績が芳しくなくとも、合格はできます。
③試験当日
「これまでやってきたという事実」に対する自信を、試験会場に持参するだけ。
不安や緊張や自信や、様々な感情が当日芽生えます。でも大丈夫。
これまでやってきたことが全てです。
何か記憶が抜たとしても、トータルで合格最低点を一点上回る回答ができればいいのです。
そう割り切れるメンタルが、ついてるはずです。
まとめ
まとめると以下のことをお伝えしてきました。
ぜひ今すぐ、行動に移してみてください。
2.行動が安定したメンタルを生む。
3.習慣化して勉強した事実は、直前期や当日の自信につながる。
以上です。
次回は、勉強のスキルについて語りたいと思います。