【会計士試験】本試験の難化対策(やるべきことは何も変わらない)

今回は【本試験の難化対策】
というタイトルで書いて行きたいと思います。

本番は水物。

本試験が、ここ何年かの傾向より明らかに難しくなってしまった、ということが時々起こります。

通常の試験対策では、太刀打ちすることが難しい問題が多い…
本番当日、こんな状況に直面したらと思うと、ゾッとして勉強の範囲の手を広げてしまったり…

あるいは、以前に受けた本試験の難化に痛手を負ってしまって、
「どのように対策したら受かるのか分からない…」
と希望を失いかけてしまったり…

そういう方もいると思い、書いてみようと思いました。

私自身、短答合格率4%台なんていう時代を経験し、完全にポッキリと心をへし折られた時期がございました。

そこで、本試験の難化に対してどういう風に立ち向かえばいいのか、ということを振り返りつつ、お役に立てればと思います。

さて、いきなり結論ですが、

難化そのものに対する対策は不要である

というのが私の考えです。

本質的に求められる力を追求していくだけ、試験の難易度に関係なく、細かいことに拘泥するのは本末転倒です。

それでは、対策の仕方について深掘りしてみます。

2014年度に公認会計士試験に合格したときの成績表と勉強法まとめは、こちらからどうぞ。

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目次

難化した問題のタイプ

何回かに一回、本試験は、前回からの傾向、難易度から変化を見せることがあります。

財表の理論が細かくて難しかったり、管理会計の時間がまったく足らなかったり、監査論の選択肢が難しくて自信もって切れなかったり…

問題の難化と一言にいっても、いくつかパターンがあるので、分類してみます。
 

1.知識として難度の高い問題

2.基本的な知識を、巧妙な問いで聞いてる問題

3.基本的な知識だが悪問

4.問題の内容ではなく、出題形式の変化

 
毎回こうした問題は、多かれ少なかれ入っているものですが、こうした問題が多くなると、正答率が下がり、全体としての平均点が下がります。

このうち、難易度が高い本試験というのは、どちらかというと、1と2が増える印象です。

1.については、広めに勉強している人は知っている可能性がありますが、取りこぼしても仕方のない問題といえます。

2.について、実はここを取れるかどうかが、合否の分かれ目になります。後述しますが、このような問題はむしろ良問といわれることもあり、基本的な知識を真に理解しているかが問われているともいえます。

3.については、落としてもまったく気にする必要のない問題です。しかし、本試験の緊張感の中で、この問題が果たして悪問なのかどうか、気づけないことがあります。これが、悪問のいやらしいところです。

少し考えて、できないと思ったら、潔く次の問題に移れるかどうかが、合否の分かれ目になります。できなくても全く問題ないのに、時間を費やしてしまうことがもっとも問題なのです。

問題自体は、試験委員側の否といっていいと思いますが、受験生がコントロールすることはできません。受験生ができることというのは、普段の答練の時から、時間を使いすぎないうちに、次に移るという練習をできてるかが、本試験で問われます。

個人的にこの練習は「損切り」の練習と呼んでいます。
時間のロスを最小限に食い止める、という意味です。

4.については、問題そのものの難易度ではなく、出題形式が変わったことによって、主に時間配分が難しくなる傾向があります。

難化対策の仕方

一生懸命準備してきたつもりでも、こういう本試験を経験してしまうと、私たちは受験勉強の本質を見誤りがちになってしまい、正しい勉強というのものを狂わされてしまう、ということがあります。

これが、会計士試験の実に恐ろしい点であります。
短答を何回も落ちた私は、それを身をもって知っています。

この変化については、次回も今回の傾向・難易度が続いていくのか、また元に戻るのか、なんて誰にも予測することはできません。

言い換えれば、未来のことに対して、誰にとっても同じ条件であるということでもあります。

そして、受験生がやるべきことは、本当は何も変わっていないのです。
こういう時こそ、基本を積み重ねる、という勉強に立ち返る「勇気」が求められます。

細かい枝葉の知識に偏りがちなったり、本当に大事な部分が完璧でないのに、応用的な論点に手を広げたり…

そういう怖さを断ち切って、しっかりと基本に向き合えるかです。

それが、実は勝負の分かれ目になるのです。

具体的には、
1つ目に、上述のパターンでいう「1.知識として難度の高い問題」を解けるように努力ではなく、「2.基本的な知識を、巧妙な問いで聞いてる問題」を解けるようになる努力です。

2つ目に、時間配分の練習です。つまり、時間のかかりそうな問題は後回しする、少し考えてドツボにはまりそうなら飛ばす、などの訓練を答練を通してやっておくということです。
これで悪問に足を引っ張られることを回避できます。

勝敗を左右するのは、基本部分の理解と反復による定着

では、「2.基本的な知識を、巧妙な問いで聞いてる問題」を解けるようになるにはどうしたらよいでしょうか。

これは、基本的な部分が、腹の底まで落としきれるまで、染みついているかが大事です。
「腹の底まで」というのが肝です。

これには時間がかかります。
基本だから簡単であるというわけではありません。

難しい問題であるわけではないのに、本試験独特の言い回しであるために、雰囲気に飲まれて落としてしまうのは、基本の定着が足りていないからです。

基本的な部分に対して、素直に、自分に問いただしながら、勉強を進めるべきです。

まとめ

見失いがちですが、目的は合格ボーダーを越えることです。

難しい問題、細かい知識を解けるようになることが目的ではありません。

会計士試験は相対評価の試験ですが、誤った勉強をしていないかという意味で、自分に勝てるか、という絶対評価の試験だと考えた方がうまくいくと、個人的には思います。

その意味で、正しい努力をすれば受かる試験です。

受からないのは勝者のマインドと努力の方向性が間違っているから、それにつきます。

偉そうに書いてしまいましたが、何度も短答を落ちた私の苦い記憶を思い出しながら書いてみました。

それでは、参考になれば幸いです。

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【職業】
❏ IT監査人 (公認会計士 / 公認情報システム監査人(CISA))
【コンセプト】
❏ このブログは、「自分らしく人生を豊かに生きる」を追求するべく、一人の公認会計士が試行錯誤してたどり着いたキャリア論や学習論を発信しています。
❏ 現役のIT監査人としての生の情報を公開するとともに、度々の転職経験と、受験や難関資格試験を経て得た学習の考え方をご参考ください。
【経歴】
❏ 慶應義塾大学卒業後、上場会社の社内SEを経て、公認会計士を取得。金融機関及び上場会社のIT統制監査をメインに監査業務及びコンサルに従事。会計アドバイザリー、システムリスク評価支援なども経験。

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