私はこれまで1度の新卒採用選考、3度の転職経験を持ちます。
転職に当たっては、転職エージェントの利用、ビズリーチ、直接応募、すべてを経験しています。
今回は、自分らしくキャリアの目的を叶える転職のポイント、間違わない転職のための準備の仕方を、私の経験を交えて、まとめてみました。
本記事では、以下のような転職活動の基本的なところについて、あまりエージェントでは語られないような経験則の目線でまとめています。
私は、会計系の専門職(経理、財務、会計、監査、コンサル等)としてのキャリアの方が長いですが、割とどんな業界でも共通して言えることだと思っています。
・上場企業の情報システム部に新卒入社
・会計士を取得して監査法人へ転職
・会計コンサルティング会社へ転職
・海外系コンサルティングファームへ転職
自己分析と会社理解
私は、それぞれの職場でどんな経験を得るために在籍したのか、明確な目的があり、その目的通りの転職をしてこれたと思っています。
そのためには、以下のような視点で、転職の準備をしてきました。
そして、これをベースに職務経歴書を書いていきました。
②相手の理解(会社での業務を理解していること)
③自分の過去・経歴や自己アピールに一貫性があること(ストーリー化すること)
私は、就職活動は、自己分析に始まり、自己分析に終わる、と考えています。
つまり、まずは採用選考を受ける立場として、自分をうまくアピールできるために自己分析が必要であり、
最終的には、間違った会社選びの判断を下さないために、自己分析が拠り所となります。
そして、「相手の理解」(会社や業務の理解)はこの 自己分析を補完するために行います。
では、ひとつずつ見ていきます。
①自分の理解(自己分析)
私が、自分自身の理解(自己分析)で最も重視したのが、以下のような流れで考えることでした。
今まで、このように生きてきた。
こういう性格で、こういう風に考えてきた。
こういう強みがある。
こういうことが自分にはできる。
だから、こういうことがしたい。
だから、こういう風になりたい。
それができるのは、このような業務だ。
それができるのが、こういう組織だ。
このような自分なりのストーリーです。
自己分析の秘訣は、これをどこまで徹底的に突き詰めて、理詰めで考えることができるかにかかっていると思っています。
これは必ずしも面接などで話す内容とは違います。
まずは自分自身をしっかりと理解するために行う作業です。
この土台なくして、よい転職をすることはできないと思います。
この「自分のストーリー」に少しでも穴があったり、自分を偽ったりしていると、間違った方向に歩きだしてしまい、幸せではないキャリア歩き出してしまうことになるでしょう…
そして、この作業は想像以上に結構シンドイです。。。
場合によっては、自己否定のオンパレードになるかもしれません。実際、私がそうでした。
Will/Can/Needの整理
このストーリーの整理に役に立つのが、Will/Can/Needの整理です。
この重なるところを意識しながら、ストーリーを考えていくと、とても自分の志向を整理することができます。
これについては、こちらの本が分かりやすかったので紹介しておきます。
志望理由は自己分析の上に成り立つ
企業は能力の高い人、経験がフィットしている人材を欲しいと思っています。
その前提として、採用側がまず聞くのが、この志望理由です。
組織の向かう方向性と違う方を向いている人間の能力には興味はありません。
これは、当たり前ですよね…
一方で自分には自分のやりたいことがあって、ストーリーがあります。
この自分の方向性と会社の方向性が折り合いつくのかを考えるためにも、先ほどの「自分のストーリー」が大事になってきます。
その中で志望理由を作り上げていくのです。
②相手の理解(会社・業界、業務の理解)
これは俗に、会社研究、業界研究などと言われるものも含みます。
これも実は①の自分の理解の一部と考えています。
「自分のストーリー」を完成させるためのものであるという考え方です。
「相手の理解」の目的は、以下の二つです。
・会社側のニーズを知ること。
自分の役割を本当に理解しているかが、採用側に説得力を持って受け答えできるポイントになります。
どんな仕事、役割が求められるのか?
具体的にどういう作業が行われるのか?
チームや組織での働き方はどんな感じか?
どんな能力が求められるのか?
どんな組織構造になってる?
その組織構造は自分のしたいことがしやすい環境か?
そして、重要なのが、その仕事の本当にキツイところや難しい所は何なのか?
よい部分だけでなく苦しい部分も見れているか?
会社側から開いてくれる説明の場は、このストーリーを完成させるための、自分と会社との接点探しの場です。
このようなことを会社説明会やカジュアル面談、面接などで可能な限り一つ一つクリアにしていくことです。
そうすると、自分自身でも気付いていなかったような好奇心にも気付くことになる思います。
今まで興味なかったけど、実はこっちの方が自分に向いているかもとか、これは自分には明らかに向いていないや、とか。
ここが分かっていないと、志望理由や将来のビジョンも間違ってしまうと思うのです。
また、この理解がないまま、自己分析を強行すると必ず矛盾が生まれ、何年も実務経験を積んできた面接官に突っ込まれたりもします。
もちろん、入社してみないと分からないようなこともたくさんあると思います。
ただ、過った選択をしてしまうリスクは抑えることができるはずです。
③自分の過去・経歴、自己アピール
これも①の自分の理解のお話の一部なのですが、あえて分けました。
「自分の理解」「相手の理解」をしっかりと行うと、なぜこの会社で働きたいのか、過去から未来へのより具体的なストーリーができてきます。
ストーリーができると、自己アピールというものは、ほぼ自然に生まれ出てくることになります。
ここでいう自己アピールとは、人と違った特異な経験のことを言っているわけではありません。
自己アピールとは、過去から未来へのストーリー(自分語り)に一貫性があるということなのです。
このストーリー化ができていないと、志望理由や自己アピールが支離滅裂になりやすく、将来へのビジョンや仕事への熱意を感じるとることができません。
その意味するところは、すぐに会社を辞めてしまうのかとか、うちの会社にフィットするのかな、といった不安を採用側に与えます。
だから「自分を理解すること」が何より大事なのです。
ストーリー化と自己アピールのポイント
ストーリー化の材料集めとしては、様々なキーワードで自分を振り返り、具体化していきます。
例えば以下のような一般的なキーワードを挙げてみます。
・失敗経験
・将来のビジョン
・修羅場をくぐり抜けた経験
・リーダーシップ
・チームワーク など
もっと独自な切り口を挙げてみてもいいと思います。
ここから、自分の過去を丁寧に振り返ります。
そして、過去の経歴から現在の職務、将来やりたいことをストーリーでつないでいくのです。
例えば、チームワークというキーワードで振り返ります。
チームで何かをした経験について時間をかけてじっくりと思い出します。
そこでの自分の行動パターン、何を考えていたか、どんな失敗があって、成功があって、どんな教訓を得て、次はどうしたらうまくいくと思うか、などなど。
とにかく、一つ一つのエピソードについてじっくり自分を見つめます。
また、これらを、自己アピールにつなげるためには、段々と抽象化もしていきます。
例えば、こういうエピソードから浮かび上がる自分の特性は「責任感」だ、という風に。
もちろん、抽象的な自分の性格から、過去の具体的なエピソードを振り返ることもできます。
こういうことをじっくり考えていくことが、素晴らしい面接にする秘訣です。
具体的には、別記事にまとめています。
志望理由「人で会社を選ぶ」ということについて
最後に、意見が分かれそうなある一つのことについて、個人的な意見を書いておきます。
それは、会社選びの最後の判断基準として、「人で選んだ」という志望理由を使うことについてです。
もし、この志望理由を使うのであれば、例えば、それを裏付けるほどの職員訪問をしたり、具体的な職員の名前を挙げて、この部署のこういう職員のこういう考え方・姿勢が○○会社らしいと思った、それが自分のこういう考え方と非常に近い、などといったように、かなり具体的に言う必要があると思います。
これができれば、「人で選んだ」という志望理由は言ってもいいと思います。
企業風土や雰囲気といった各会社の個性は確かに存在しているからです。
それを好きだ、そこで働きたいというのは理にかなっていて、立派な志望理由です。
しかし、一方で、個人的には、この志望理由はあまり好きではありません。
もっというと、志望理由として成立しない場合すらあると考えています。
なぜなら、職場というのは様々な人間が集まっていて、会社側の説明だけでは想像もつかないような実態を持っているからです。
企業風土や雰囲気は入ってみないと分からないことの方が多いです。
我々は、どんな職場に配属されても、そこにいる人間と共に働かなければなりません。
自分とは肌の合わない人でも上手に付き合っていかなければいけません。
当然ながら面接官も実感としてそう思っています。
ですので、この志望理由を聞いた面接官は、こう思うでしょう。
もし、あなたが会社説明会や職員訪問であった人たちとは違うイメージの人達がチームにいたら、あなたは幻滅してしまうだろうと。
会社説明の場のスピーカーやリクルーター、面接官は会社の「顔」です。
会社のアピールの場であるイベントにおいて、問題のある人が出てくるわけがありません。そのイベントの一面だけを見て、「人で選んだ」というのは、非常に危険だと思うわけです。
一般的な職場で求められているのは、むしろ、どんな人間と一緒になっても、共通の職務上の目的に向かってチームとコミュニケーションをとっていける力です。
個人的に、プライベートまで仲良くなれる必要はないと思っています。
しかし、組織である以上、社会人として、チームとして、一緒に仕事をやっていける人であるかどうかが、最も面接で見られているポイントだと、私は思うのです。
したがって、「人の雰囲気で選んだ」という志望理由はできれば外した方がいいと思います。
これを言わないようにするために、会社研究や自己分析を徹底するべきだと思うのです。
職務経歴書にストーリーを具体化する
以上を踏まえて、私は常々、職務経歴書の更新をかけています。
上記のようなブレストを繰り返しながら、今後のビジョンや目標を踏まえて、職務経歴書にストーリーを具体化していきます。
職務経歴書は、過去の事実の列挙なのだから、ストーリーも何もないのではないかと、思われるかもしれません。
確かに、その通りです。嘘を書くわけにはいきません。
しかし、ちょっと待ってください。以下の点で、ストーリーが活かせるのです。
・実績を具体的に書く際に、そこから得た経験・スキルが、いかに次の仕事に活きるかを簡潔に書く。
・過去の退職理由を記載する
具体的に補足します。
どのようなキャリアを歩みたいかによって、過去の経歴の記載の仕方に濃淡をつけることはできますよね。
また、過去に経験した業務からどのような経験とスキルを得て、それが未来においてどのように生きてくるのか、そのようなことを簡潔に書くことでストーリーを盛り込むことができます。
一つ注意点としては、あまり書きすぎると、事実ベースの職務経歴書に違和感が生まれてしまうので、やりすぎは要注意です。
最後に、私の場合、過去のそれぞれの会社の退職理由を簡単に書いていました。
これはオススメで、ポジティブな退職理由は一つ記載しておくことで、ストーリーが生まれます。
もちろん、本心からの退職理由でないと、せっかくの自己分析が脚色だらけになり、過ったキャリア選択になってしまいます。
そこは注意が必要ですが、これによって、過去から未来への一貫性のあるストーリーができ、採用側に説得力を持たせられるのです。
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
②相手の理解(会社での業務を理解していること)
③自分の過去・経歴や自己アピールに一貫性があること(ストーリー化すること)
転職をするとなると、とても長い作業になりますが、 ぜひ掘り下げてみることをオススメします。