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会計士試験に受かり、晴れて監査法人などに就職できたものの、働いてみたら、監査だけでなく、会計も税務もそんなに好きでもなかったし、向いてもない、という会計士の方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、監査法人や会計士業務が辛いなら、別にそれにこだわらなくていい、自分自身を適材適所にしてあげるべき、というお話です。
もしかしたら、会計・監査業界に固執することで、ご自身の才能の無駄遣いをしている可能性すらあるのです。
これは、もっというと、自分らしい人生を生きるべきとい根本的な話でもあるのです。
私自身、監査や経理、FAS業務と幅広く経験してきて、思うことは、会計士業務は本当に向き不向きが分かれるな、ということです。
・新卒で入った上場企業で社内SEとして勤務
・退職して会計士受験専念
・合格後、大手監査法人へ入所し監査業務に従事
・監査、FAS、経理業務支援、会計コンサル、リスクアドバイザリーと広く経験
・現在はIT統制をメインにITリスクガバナンス領域で活動中。
私自身もこれについて悩んできて、現在の仕事は、IT領域に近く、会計士の主戦場ではない領域になります。
自分の得意不得意や興味関心を考えながら、今の業務に行きついています。
そして、今後もおそらく、会計士がメインでいるような業務にはいかないだろうと思っています。
そんな私のような考えに近い会計士は、意外と多くいるという印象を持っているので、記事にしてみました。
会計士業務への向き不向き
会計士が守備範囲とする会計・監査・税務という領域に対してどのように思っているか、自分自身に問うてみるべき質問があります。
これが、自分の人生にとって何が大事なのかに立ち返る質問です。
・会計・監査・税務の領域の中で仕事を続けて行きたいと思う場合、それはなぜですか?
・当初、会計士を目指した本当の理由は何ですか?
・今あらためて、どんな人生を歩みたいですか?
・人生において、会計士でいることには、どんな意味を持ちますか?
監査業務の向き不向き
多くの人にとっては、おそらく苦労して取った会計士資格だと思うのですが、
たとえば、独占業務たる監査について考えると……監査が向いてないなんて、あまり考えたくもない事かもしれません。
が、実は多くの人が続けていきたいと感じる仕事であるようには思えないのです。
もちろん、価値観ややりがいは人それぞれで、監査が向いているという人もいると思います。
会計士の独占業務である監査という仕事の社会的な意義や使命感、クライアントから専門家としての意見を求められる場面にやりがいを感じる人は確かにいると思います。
一方で、その監査手続きの過程に対する退屈さや、クライアントに対する直接的な貢献の実感の薄さ、クライアントに指摘するという特性から、徐々に会計士を目指した当初のモチベーションを失っていく人は多いというのも、一つの事実です。
その意味で、会計士という職業は、仕事の適性に対して二分するというのが現実ではないでしょうか。
そこで、今回は、監査法人や、監査という仕事自体に違和感を感じ続けているのであれば、固執することなく、
次のステージに行った方が、自身の能力や適性、向き不向きに叶った、幸せなワークライフを送れるのではないかと考えています。
会計士を目指して突破する人は、真面目な人が多いと思います。
それゆえ、せっかく会計士になったのだからと、監査や会計領域に固執してしまい、もっと頑張らないといけない、と思ってしまう方は多いと思います。
そこで、一度、自分自身の仕事に対する価値観や、人生において大事にしているものを振り返るといいと思うのです。
AIの進化と好きなことでしか生き延びれない残酷な世界
私がこのように思う背景には、イノベーションの加速と、AIによる専門人材の淘汰があります。
ChatGPTの衝撃がいま世界を駆け巡っていることはご存知だと思います。
会計士も含めて、専門家がその立ち位置を脅かされていています。このあたりは下記の記事に考えを書いてみました。
また、作家の橘玲さんは『働き方 2.0 vs 4.0』の中で、こうも表現しています。
「『好きなことで生きていく』しかない残酷な世界」
AI時代において、生涯学習やリスキリングを繰り返すことでしかビジネスパーソンは生き延びれず、それができず落ちこぼれたら自己責任とする論調がリベラル派から出ている、というのです。
嫌いなことや不得意なことを続けていくという苦役を人間は続けていくことができない以上、好きなことか得意なことでしかた生き残れない。
しかしながら、そのようにできる人間は一部にとどまるという意味で、「残酷な世界」と表現されています。
このあたりについても興味深かったので、一つ記事にまとめてみました。
会計士の次のキャリアの選択肢
これまでどんな実務についてきたかによって、今後のキャリアの方向性は変わってくると思います。
会計監査は経験したので、会計アドバイザリーや税務といった会計士の守備範囲とする領域の中で、広げたいという方もいるでしょうし、
今回のテーマのように、もはや会計士業務からは離れてもよいという方もいらっしゃると思います。
会計・税務の世界に引き続き関与する場合
こちらは一般的な会計士の業務の幅になります。これについては、この記事の趣旨ではないので、列挙にとどめておきます。
・会計アドバイザリー
・一般企業の経理業務
・M&A、財務DD
・内部監査
・IPO支援
・ベンチャーCFO
ちなみに、会計や税務、内部統制といった会計士の王道の世界でのキャリアを考えたい場合には、以下のサイトが大変有用ですので、ご参照ください。
会計・税務以外の世界に踏み入れる場合
一方で、会計士の領域から飛び出していく方向けに書いてみたいと思います。
会計士だからといって、なにも会計業界、監査業界にこだわる必要はないと思います。
この場合には、もはや何でもありですが、これはもう個人の興味関心と得意分野の赴くままに行くべきだと思います。
・新しいビジネスの立ち上げ
会計士試験をする中で勉強した内容は、幅広いビジネスの前提知識となります。
一方で、一般的な会計士には欠けている要素で、ビジネスをやるうえで最も重要な領域は、マーケティングだと思います。
会計士がマーケティングを得意になると、ビジネスでは無双できるのではないかと思うほどです。
とはいえ、マーケティングは商売の根源的な部分で、市場に応じてとても曖昧な部分も多く、一つの正解がないものなので、難しいのは確かです。
キャリア転換のための準備は『リモート×副業』がカギ
どんな分野に進むにしても、新しいスキルを身に付ける必要があり、そのための時間とお金が必要です。
そのための方法は3つだと考えています。
これまでの経験やライフステージ(家族の状況)などによって、選択する道が変わってくると思います。
2.リモートワークと副業が可能な監査法人・会計事務所、一般企業へ転職する。
3.身に着けたい知識やスキルに関係する業界にいきなり転職する
もし新しい領域に行きたいなら、ここの選択が非常に大事だと思うのです。
1.については、現状の仕事を続けつつ、時間を捻出しながら、新しい分野への準備をするというものです。転職をせずに、現職の環境と効率を追求しようという考え方です。
2.については、これまでの会計士としての経験を活かして、収入を落とさずに転職をして、副業をしながらリスキリングするというものです。
3.については、ほぼ未経験に近い状態で、まったく新しい興味のある業界に移るという方法です。
正直、収入を気にしなくてもいいなら、これが一番良いのではないかとは思いますが、それぞれの状況によって来るとは思いますね。
どちらも、最初に自問自答した問い(リンク)を踏まえて、本当に人生で大事にしたい事に立ち返って、選択するべきです。
ちなみに、会計・監査・税務の専門ファームから距離を置くために転職したい方にはよいのではないかと思う、実際に利用させて頂いた転職エージェントを参考に貼っておきます。
・MS Japan
・ジャスネットキャリア
・bizreech
最後に
ということで、会計士だけど、本当に自分にあったキャリアを積みたい、自分の人生を生きたいといった方の後押しになれていれば幸いです。
また、このあたりのことについては書いていきたいと思います。